寝たきり・移動介助・抱き上げの工夫

寝たきりの犬猫を抱き上げるのが怖い。体を痛めにくい支え方と移動の工夫

寝たきりに近い犬猫を動かすとき、「痛がらせたらどうしよう」「落としてしまったらどうしよう」と手が止まることがあります。まず考えたいのは、無理に高く持ち上げないこと。行き先を近くに用意し、低く、近く、短く動かします。

飼い主が低い寝床でシニア犬の体をタオルで低く支え、近くのマットへ移動する準備をしている様子

この記事でわかること

  • 抱き上げる前に用意しておくこと
  • 胸、おしり、体幹を広く支える考え方
  • 脇だけ、お腹だけで支えない理由
  • 二人で動かしたほうがよい場面
  • 猫を無理に抱かず、キャリーを近づける工夫

いきなり抱き上げず、行き先を先に作る

寝たきりの犬猫を動かすときに慌てやすいのは、持ち上げてから「どこに置こう」と考える場面です。体を支えたまま迷うと、飼い主さんの腕や腰も力みやすく、犬猫も不安になりやすくなります。

移動の前に、行き先を先に作ります。寝床の横にマットを敷く、交換するシーツを広げる、通り道のものをどかす、タオルを手元に置く。これだけで、移動する距離と時間を短くできます。

寝たきりの犬猫を移動する前の準備として、行き先、道をあける、すべり止め、タオル、痛い時は休むを示したチェックリスト画像
動かす前に準備を終えておくと、抱えている時間を短くできます。

支える場所は「脇だけ」「お腹だけ」ではなく、胸とおしりを広く

犬猫の体を動かすときは、脇の下だけを抱えて引き上げたり、お腹だけを持って持ち上げたりしないようにします。痛みがある子、足腰が弱い子、体重が落ちている子では、一部分だけに力がかかるとつらく感じることがあります。

基本は、胸の下、おなかから腰、おしり側を広く支えることです。手だけで難しいときは、バスタオルや幅のある布を体の下に入れて、体を面で支えます。

犬猫の胸とおしりを支え、体を近く低く保つポイントと、脇だけお腹だけの持ち方を避ける図解
胸とおしりを広く支え、体を近く低く保つと、短い移動がしやすくなります。

支える前の合図

  • 先に名前を呼ぶ
  • 手を見せてから触る
  • 「動くよ」と短く声をかける

支えるとき

  • 片手で胸側、もう片手でおしり側を支える
  • 体を自分に近づける
  • 低い位置で短く動かす

中型犬以上は「一人で抱える」より、二人で短く動かす

体が大きい犬、足腰が弱い犬、痛みがありそうな犬では、一人で抱き上げようとすると、犬も飼い主さんも不安定になりやすくなります。家族がいる場合は、二人で役割を分けます。

一人が胸側、もう一人がおしり側を支え、行き先を近くに置いて、短い距離だけ動かします。タオルや毛布を使う場合も、持ち上げる高さはできるだけ低くします。

二人の飼い主がシニア犬を幅広いタオルで低く支え、近くのマットへ短く移動している様子
大きい犬や不安定な子は、二人で胸側とおしり側を分けて見ると慌てにくくなります。

猫は抱き上げる前に、キャリーや寝床を近づける

猫は、体を固定されることや高く抱かれることを嫌がる子が多くいます。寝たきりに近い猫、足腰が弱い猫では、抱き上げて移動するより、キャリーや低い寝床を近づけて、移動距離を短くするほうが落ち着く場合があります。

低い猫ベッドの横にキャリーを近づけ、飼い主がタオルをそばに置いてシニア猫の短い移動を準備している様子
猫は無理に抱き上げる前に、キャリーや寝床を近づけて移動距離を短くします。

近づける

キャリーを寝床のすぐ横に置き、入口を大きく開けます。

なじませる

中にいつものタオルを敷き、においや触り心地を近づけます。

止まる

嫌がったら一度止め、別の時間に短く試します。

抱き上げずに済む移動も選択肢に入れる

毎回抱き上げる必要はありません。寝返り、シーツ交換、少し横へ移動するだけなら、タオルや防水シーツを使って、体を少しだけずらす方法もあります。

ただし、無理に引っぱると皮膚や関節に力がかかります。動かす前に布のしわを伸ばし、体の下に広く入っているかを見て、少しずつ動かします。動かしたあとに呼吸、表情、足の位置を見ます。

抱き上げ以外の工夫

  • 寝床を低くして、段差をなくす
  • 行き先をすぐ横に作る
  • 体の下に広いタオルを入れる
  • 向き替えは数センチずつ行う
  • 休みながら、1回で終わらせようとしない

まとめ:高く持ち上げず、低く近く短く

  1. 動かす前に、行き先、道、すべり止め、タオルを用意する
  2. 脇だけ、お腹だけで支えず、胸とおしりを広く支える
  3. 大きい犬や不安定な子は、一人で抱えず二人で短く動かす
  4. 猫はキャリーや寝床を近づけ、移動距離を短くする
  5. 痛そうな声、呼吸の変化、強いこわばりがあれば無理に動かさない

寝たきりの犬猫を動かすのが怖いのは、飼い主さんが大切に思っているからこそです。完璧な持ち方を一度で覚えようとしなくて大丈夫です。よく観察して理由を探しながら、低く、近く、短く。その子と飼い主さんの体に合う方法を、少しずつトライ&エラーしていきましょう。

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